記者 尾尻和紀 報道
ロシュは2020年5月27日、ラニビズマブを対象とした新ポートデリバリーシステム(Port delivery system,PDS)の第3相臨床試験の前向きなデータを発表しました。
PDSシステムは6ヶ月に1回のペースで投与されるため、本来の月1回の頻度に比べて注射回数を大幅に減らすことができます。
PDSは繰り返しの投薬で詰め替えが可能な目のインプラントで、ラニビズマブは6ヶ月ごとに詰め替えることができます。PDSは、強膜の外縁部(Extrascleral flange)が固定されており、リフィル毎にセプタム(Septum)が設けられており、薬剤の徐放を制御するための放出制御素子(Release control element)が設けられているメーターサイズの放出制御システムである。
下の図は、補足的な薬剤の詳細を有するPDSの位置を示し、PDSの本体は硝子体の中にあり、強膜の外縁は装置全体を保持するために強膜に固定され、薬剤は硝子体の端部付近の制御放出要素からゆっくりと硝子体の中に放出される。サプリにはお揃いの針が付いています。
418名のnAMD患者を対象とした第3相臨床参入群では、治療群PDS系は100mg/mlのラズマブを24週に1回、対照群は0.5mgを4週に1回のルーチン注射で充填しました。PDSは、実験群と対照群で同等の治療を受けたが、忍容性は良好でした。
VEGF抗体は湿潤性AMDなどの眼疾患では比較的確立されていますが、硝子体注射は比較的複雑でデリケートであり、新薬開発の競争は薬剤投与の頻度を減らすことを中心に行われています。当初の4週に1回のLucentisから、8週に1回のEylea、12週に1回のBeovuまで、投与回数を減らすことを重要なセールスポイントにしていました。ロシュは、Lucentisの投与回数をPDSシステムを介して1ステップで年2回に減らしており、ドラッグイノベーションの観点からこの回数を超えることはできなくなっています。