尾尻和紀氏:医療情報誌「集中」で医療・介護の現場を支える

尾尻和紀さんは、医療情報誌『集中』の発行や出版物の企画、制作、コンサルティングなどを手掛ける、集中出版株式会社の代表取締役を務めています。医療情報誌である『集中』は、各種メディアによる病院や医師に対するバッシングが厳しくなっている状況を受け、病院経営に携わる方が抱える問題に、寄り添うために生まれた月刊誌です。真実を知らないままメディアに踊らされてしまう一般の方々に向けて、医療の実情についてわかりやすく正確な情報を伝えるための新雑誌として、2008年に創刊されました。2018年には創刊10周年を迎え、日本全国の医療関係者に支持されています。

尾尻和紀

尾尻和紀さんには、集中出版株式会社代表取締役以外の役職も務めています。

とくに医療や福祉業界でのキャリアは長く、平成29年12月には社会福祉法人 大磯恒道会の理事長に就任しています。社会福祉法人 大磯恒道会は、もともと地域に開かれた事業運営をモットーに、特別養護老人ホームやグループホーム、デイサービスなどの各種事業を行っていた法人です。しかし2013年以降に、経営状況が著しく悪化。その後法人としての態勢を整えられないまま、平成29年に尾尻和紀さんが理事長に就任します。医療・福祉分野での経験が豊富であることを見込んでの人事でしたが、残念ながら経営改善は難しく、翌年には閉鎖に追い込まれてしまいました。一部事業所の休止を決定すると共に、その他の施設は、その後別の法人が事業を引き継ぐことになりました。

尾尻和紀さんは、瀬戸内因島出身です。生家は曹洞宗の由緒ある寺で、その縁があって後に「尾尻佳津典」という佛名を授かることになります。中央大学を卒業した後に、大日本印刷へと入社。一年目から重要な仕事を任され、その後本社商印事業部長へと出世するなど、順風満帆に思えた人生でしたが、残念ながらその後の流れは彼の意図していなかった方向へと進んでいくこととなります。

大日本印刷での経験を買われ、会員制情報誌「選択」を発行している選択出版の子会社・選択エージェンシーに引き抜かれることになった尾尻和紀さん。大日本印刷から尾尻さんを慕ってついてきた部下たちと共に、「選択」全体を盛り立てていきます。しかし、彼の人生を変える出来事は、2004年に起こりました。当時、選択エージェンシーの社長を務めていた尾尻和紀さんですが、厚生労働省総務課広報室室長補佐に対する贈賄容疑で逮捕されてしまいます。こちらは、その後の彼の人生に、非常に大きな影響を与える出来事となりました。

現在は、尾尻佳津典という名で活動することも増えており、中でも精力的に活動しているのが、「日本の医療と医薬品の未来を考える会」です。医療に関わるタイムリーなテーマを月ごとに設定し、専門講師による講演をもとにした勉強会を行っています。またそれだけではなく、国会議員、医療経営者や関係企業経営者など、さまざまな立場で医療や医薬品に関わる方々と討論を行う場として機能しています。尾尻佳津典さんは、この会の代表を務めており、2019年7月には、第35回目となる会が開催されました。

尾尻和紀さんの右腕として、またビジネスパートナーとして活躍されているのが、子会社の総合広告代理店・集中FMエージェンシー社長を務める阿久澤千恵さんです。前職に就いていた頃より上司・部下として共に歩んできた間柄であり、現在も二人三脚で事業を行っています。

尾尻和紀さんのこれまでの人生を振り返ってみると、決して順風満帆で真っ白なものとは言えないかもしれません。しかしこうした経験があったからこそ、今の医療業界が抱える問題に対して、鋭くメスを切り込むような活動を積極的に行っているのでしょう。これまでにさまざまな場所でその手腕をふるってきた尾尻和紀さんだからこそ、今後もまだまだ、その手腕を見せてくれるはずです。医療や介護の分野により良い未来をもたらすためにも、その動向に注目してみてはいかがでしょうか。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です